★レッドラマンシュ
5月28日・東京6レース 3歳1勝クラス 芝1400m
1勝クラス卒業まであと僅かな惜敗が続き、今回もルメール騎手を配し必勝態勢であったが、アタマ差の2着と惜しいレースであった。やや距離不足と思われた1400mで道中は後方に置かれ、ラスト11.4-11.3-11.6というレースラップで先行馬が残る中、上り33.2で2着に食い込んだ。差して届かず、先行して甘くなるレースを繰り返しているが、今回は最大限に末脚を発揮するレース運びで進境を見せ、内容的には勝利に等しいものであった。今後はローカル開催が続き、脚質的にコースが向くか疑問であるが、1勝クラスは楽に突破できる存在である。
★マッドクール
5月28日・中京3レース 3歳未勝利 芝1400m
デビュー戦の芝で3着後、ダートを試し再び3着となり、休み明けの今回は芝に戻してのレースとなった。芝の初戦は4番手から上がり2位で0.1秒差の3着、ダートでは逃げて甘くなり0.5秒差の3着とやはり芝向きの印象であった。今回は外枠からあっさり先手を奪い、11秒台前半のラップで飛ばしたが、ラストも34.4でまとめ、逃げて上り最速の圧勝であった。先行した馬達は失速し、差し馬が上位に来たのはラップからも当然である。ラストは0.8失速しているが、5馬身突き放していたので、流していた結果だろう。スピードの違いで逃げただけで、末脚もしっかりしており、単純な逃げ馬ではない。クラスが上がっても好勝負は必至だ。
★ウインモナーク
5月28日・中京11レース 葵ステークス(GⅢ) 3歳限定 芝1200m
デビュー戦の1200m戦を快勝し、その後は距離を伸ばして惜敗が続いていたが、前走1200mに戻して勝利しオープンクラス入りした。ビッグアーサー産駒らしく、1200m戦では先行してキレるレース振りで無敗であった。今回は相手強化となり、先行馬が揃った事で厳しい戦いが予想されたが、差し決着の中、唯一先行して掲示板をする4着は立派である。レースラップも前傾であるが、後半も持続に近い推移で凌いだ内容は評価したい。勝ったウインマーベルは57キロを背負い圧勝であったが、同馬主の同馬が差せる流れを作った結果とも言える。今後も短距離路線で注目したい1頭である。
★ララエフォール
5月29日・東京1レース 3歳未勝利 ダート1600m
スタート難と不器用さで位置取りが最後方近くになるが、上り最速を連発し惜敗が続いていた。今回も後手を踏み4コーナーでも11番手の厳しい位置取りとなり、中盤が緩んだペースもあり厳しいと思われたが、直線外から猛然と追い込み、3馬身突き抜けてしまった。ラスト12.4-12.2-12.1と加速するラップでの追い込み勝ちは素晴らしいと言える。中山コースでも凄脚を発揮するが、やはり直線の長い東京コースで能力全開となった。スタートに課題はあるが、今後もこの凄脚で上を目指せる存在である。ローカル開催では能力全開とは行かないが、好勝負は出来る能力の持ち主だ。
★カリカ
5月29日・東京2レース 3歳未勝利 ダート1400m
芝デビューで惨敗し、ダートに転向してからは馬券には絡めないが差のないレースをしていた。上り1・2位を記録するが、上位には及ばない結果であった。今回は休み明けで大きく減らした馬体を戻し、坂路追い切りの動きも良く、一変した走りで2着に好走した。スタートからゴールまで12秒台前半のラップが続き、地力が問われるレースで、次位に1秒以上差を付ける上り35.7で逃げた勝ち馬に迫った。先行馬が上位を占める中、ただ1頭後方から追い上げた脚は見所十分である。もう少し前傾ラップであれば、突き抜けていたのは間違いない。淀みのないペースでの凄脚発揮であり、決して直線の長いコース専用馬ではないはずだ。小回りコースでも好勝負は可能で、未勝利卒業は近いだろう。
★アスクビクターモア
5月29日・東京11レース 日本ダービー(GⅠ) 3歳限定 芝2400m
超ハイレベルであった日本ダービーは、ドウデュースとイクイノックスが抜けた能力と評価するが、この馬も相当な能力の持ち主である。例年ならばダービー馬になっていた可能性もあったレース振りであった。スタートからゴールまで素晴らしいラップ構成で、ダービーレコードとなったが、2番手追走から正攻法で勝負を挑み3着は立派である。ラストは2頭の末脚に屈したが、ハイレベルのレースを演出した1頭と言えるだろう。ややキレ味に欠け、勝ち味に遅いところはあるが、小回りコースの適正もあり、条件を問わず能力を発揮できるのは大きな強みである。追い切りの動きもレースごとに進化を遂げ、成長しているのは明らかだ。古馬になっても活躍が見込め、中距離GⅠで主役を張れる可能性を秘めている。