前走の快走がフロック視され６番人気の評価であったが、素晴らしいレース内容で未勝利を脱出した。デビューから３戦は苦戦が続いていたが、４戦目にダートを使った事で走りのバランスが良くなり、前走11番人気２着の成績に繋がっている。前走も好内容でクビ差の惜敗であったが、今回は距離延長戦でありながら脚を溜め、短い直線でも馬群を割って突き抜けている。逃げ馬が２着に残る展開でラストも11.3-11.4-12.0秒と急減速をしてないなかでの差し切りは高評価できる内容だ。内枠で馬群に包まれても器用な立ち回りで脚を使えるタイプで、距離が延びても問題ないだろう。京都コースで激変したが、暖かくなって体調が上向いているのは確かで、コース替わりにも対応できそうだ。クラスが上がり人気面で妙味がありそうな次走は狙って面白い存在だ。

３歳世代の短距離重賞でスピード自慢が揃った一戦であった。ロケットスタートからモズメイメイが逃げ切り勝ちしたが、４着のブーケファロスも高パフォーマンスを見せている。逃げ馬と内枠の先行馬が３着までを独占したが、京都1200ｍでは鬼門の17番枠から外々を回りながら直線鋭く伸び、上位馬との比較で大きな距離ロスがあったが、上り最速で0.3秒差は立派である。枠順や展開に多少の恩恵があれば重賞に手が届きそうな走りであった。距離延長戦では血統や行きたがる気性面から崩れる事もあるが、1200ｍ戦なら折り合って脚を使え好走を続けている。短距離路線では３歳トップクラスのポテンシャルの持ち主と評価して問題なく、短い直線でも豪脚を発揮できる瞬時の加速力は小回りコースでも問題ない。古馬混合戦では斤量面で有利に働き、今後のローカル開催で特注の馬として狙ってみたい。

３歳チャンピオン決定戦で15番人気ながら好内容で５着と好走した。デビューから４戦続けて１番人気に推される素質馬で２勝をマークし、前走毎日杯の２着で賞金加算に成功し大舞台に駒を進めていた。一気の相手強化もあり15番人気と低評価であったが、決してスムーズな走りではないなか外枠を克服して0.2秒差に激走している。当日はテンションが高くパドックで発汗が目立ち、レースでも序盤から折り合いに苦労し鞍上が手綱を引っ張るシーンが多かった。３・４コーナーでは馬群に包まれ馬順を下げ、直線では大敗する雰囲気であったがラストまで脚を伸ばし、残り400ｍで外に出してからの伸びは上位馬にヒケを取らず、ゴール前の脚は他馬を凌ぐものであった。まだ成長途上でメンタル面の強化は必要だが、確かなポテンシャルは世代トップクラスに見劣らない。２勝クラスからの再スタートとなるが、今後の動向に注目したい１頭である。

展開に恵まれた印象もあるが、瞬発力に優る強敵相手に逃げ粘ってクビ差の２着に好走した。前半が緩んだペースですんなり先手を奪えた事は好走の要因として大きいが、残り1000ｍを57.9秒で走り切る持続力で重賞でも差のないポテンシャルを見せている。ディアスティマ以外の先行馬が沈み、上位入線馬は４コーナー10番手以降の差し・追い込み馬が独占している点でも高評価できる内容である。長距離路線を中心に参戦していて、タイトルホルダーなどの強力逃げ馬が相手では厳しい結果となっていたが、スムーズに先手が取れれば実にしぶといタイプである。今回の残り1000ｍの時計を見る限り中距離戦でもと思わせ、強力同脚質が不在のメンバーであれば重賞初制覇の期待もできる。相手関係よりも先手が取れそうなメンバー構成で狙ってみたい。