１勝クラス卒業後は、３戦続けて１３着と精彩を欠いていたが、今回の走りは１１番人気ながら見所十分であった。ウインアキレスが先手を取り押し切ったレースで、上位は先行馬が独占したが、後方から馬群を捌きゴール前で脚を伸ばし４着。差し馬不利な流れであったが、先行した上位入線馬とは差がなく、２勝クラスでも能力は見劣らない。過去２勝はローカルコースでの逃げ切りであるが、前走から脚質転換を図り、２戦目で結果を出した。後方内々で砂を被っていたが問題なく、直線も前の馬が内に刺さり気味でスムーズでなかったが、残り100ｍで大外に持ち出しての伸び脚が目立った。次走は得意のローカル戦で、馬混みを気にせず差す競馬を身に付けた今なら、人気薄でも好走可能だろう。穴馬として狙ってみたい存在だ。

約１年の長期休養後３戦目で、復活と思える走りを披露した。勢いのある４歳馬が人気に推され、３勝クラスではメンバーレベルが高かったと言える。その中で、後方から上がり最速で２着と結果を残した。前回ダートを使った事で、走りのバランスが良くなり、追い切りの動きも良化していた。後方内々を進み、ラップが上がった４コーナーでは、ややモタモタしていたが、直線は馬群の中からジワジワと伸び、ラストまでしっかり脚を使っている。展開的にも恵まれた印象がなく、能力上位を思わせるレース内容であった。元々はレース間隔を空けながら３歳～４歳時に３連勝を飾った実力馬である。休養期間が長かったので５歳ながら、８戦のキャリアしかなく、まだまだ活躍に期待が持てる。復活した実力馬の今後に注目してみたい。

前走中山の重賞では大敗したが、今回はローカル巧者ぶりを発揮し、強敵相手の３着に好走した。小回りのオープンレースとしては、やや緩めのペースとなり、先行した実力馬が１・２着であったが、大外枠から終始外々を回り、４コーナー手前から11.5-11.2とラップが上がり、外を追走していた馬には苦しい展開であったが、徐々に差を詰め、直線は外から伸びて２着馬に迫った。２着馬のジュビリーヘッドは前走の重賞で２着の実績馬であり、この馬もオープンでは実力上位の存在と言える。小倉コースを得意としており、小回りローカルでこその馬だろう。休み明けを叩いた次走以降は、更なる状態アップが見込め、サマースプリントシリーズでの活躍を期待したい１頭だ。

デビュー２戦目となった今回もスタートで後手を踏み、後方からのレースとなったが、素晴らしい末脚で２着に食い込んだ。逃げた馬が勝利し、上位も先行馬が優勢であったが、他馬より1.5秒以上上回る豪脚での２着である。デビュー戦でも出遅れながらも末脚に見所があったが、２戦目でのこの走りは能力の高さの証だ。前半の走りに課題があり、直線の長いコースが最適で、新潟までは小回りでのレースとなるが、中団あたりからレースを進められれば、ローカルコースでも突き抜けて良い脚を持っている。残り少なくなった３歳未勝利戦を何とか突破し、今後に期待したい逸材である。

前走に引き続き、素晴らしい末脚で３着となった。先行馬が有利な流れで、ラスト11.7-11.3-11.7と差し馬には厳しかったが、後方から唯一上位馬に迫った。直線半ばまでは馬群の中で、スムーズ追い出せなかったが怯む事なく、ゴール前外に出しての脚は際立っていた。前走は新潟コースであったが、同じようにラスト脚を使っており、２度続けての豪脚は本物と言って良いだろう。ローカルの小回りでも、キレを発揮し上位争いは間違いない。宝塚記念当日で、敏腕騎手が勢揃いしていた中で、冷静に立ち回った今村聖奈騎手とともに、このコンビで初勝利に期待したい。

追い切りでは乗り込み量豊富ながら、速い時計がなく、８頭立ての６番人気と評価が低かったが、レースでは内々を上手に立ち回り、ラスト外から差して２着と善戦した。レースラップのラストが11.9-11.4-12.0で、直線に向い後に加速しているように、明らかに先行有利な流れであった。中団から残り200ｍで外に出し、ゴール前で猛追したが半馬身及ばなかった。ネロ産駒なので短距離で良さが出そうな血統であるが、レース振りからはマイルでもと思わせるセンスがありそうだ。レース内容は素晴らしく、仕上がり途上を思わせた追い切りからも、次走は上積みが期待でき、確勝級と言って良い初戦の走りであった。