２番人気に推されての３着と人気を下回る結果となったが、条件的にはベストではなく好走していると評価したい。今回は初の2000ｍ戦でハンデ55キロを背負い初コースと課題の多い戦いであった。２番枠と枠順は恵まれたが、先行勢には厳しい流れとなり２頭に差される形となったが、ラストまでしっかり走り切り先行勢では唯一上位争いに加わり0.2秒差に踏ん張っていた。過去走では1600ｍ～1800ｍ戦のみ使われており、やや距離も長かった印象であった。重賞勝利歴はないが、ＧⅡ阪神牝馬ＳやクイーンＳの３着もあり牝馬限定戦なら重賞勝利も近そうだ。東京コースでの極端な上り勝負では分が悪いが、小回りコースや持続力の活きる流れになれば高いパフォーマンスを発揮する。前走も狭い馬群を割って２着に好走ており、舞台を問わず大きく崩れない走りは強敵相手で面白い存在となり、次走で距離短縮戦となれば狙ってみたい馬である。

ローカル開催のメイクデビューで注目度は低かったが、レースレベルは標準以上であった。３番人気で４着に敗れてしまったが、大きな不利があってのもので大敗しなかった点でポテンシャルは確かであると判断したい。スタートから大逃げ気味に飛ばす馬が存在し、離れた２番手集団を形成し手応え良く３コーナーを迎える。中盤がやや緩んだ事もあり後方から複数の馬が早仕掛けで上昇し、合わせてスパートを開始しようとしたが、逃げていた馬が外に逸走気味となりズルズルと後退してしまう。真後ろにいたため急ブレーキを踏む形となり一気に先団から遅れをとってしまった。手応え的には余裕十分であっただけに致命的な不利と言える。しかし直線では最内から再加速し、３着馬にハナ差まで詰め寄っていた。12.6-12.2-11.7秒とラップが上がった所でブレーキを踏むロスがなければ、勝ち馬と互角の勝負ができていたと想定できる。次走は確勝級の評価で大きく狙ってみたい。

重賞初制覇には至らなかったが素晴らしいレース内容を見せ２着に好走した。デビューから２戦２勝と高いポテンシャルは確かであるが、スタート難や大跳びの無器用タイプで危うい面を残している現状であった。今回はベスト条件ではない小回り中山コースで、前走のような直線一気では厳しいと思われたが、後方追走から直線で馬群を捌いて２着に差し込んだ。ラスト11.9-11.3-11.6秒と高速上りとなったが、坂を上がってから矢のような伸び脚で33.9秒の上り最速をマークしている。前走はラスト11.7-11.5-11.3秒の加速ラップを大外一気で勝利しており、決め手は素晴らしいものをもっていると再認識させられる走りであった。また大外を回らずに馬群を捌いた事は今後に向けての大きな収穫となり、獲得賞金の加算に成功した点でも大きな２着となった。まだ粗削りな面は残っているが、ホープフルＳ組との比較でも互角以上のハイパフォーマンスであり、まだ伸びしろは大きいと思わせるレース振りからもクラシック候補として注目していきたい。

上位人気勢が無難な走りで上位を独占したが、条件的な面を考慮すると３着は評価できるものである。クラシックトライアルを２勝している事もあり明け４歳ながら57.5キロのハンデを背負い、大外枠と不利な材料は揃っていた。今回は春に向けての始動戦で、同世代の２頭との比較で中間の調整も＋10キロの馬体重通り余裕残しであった。高速上りの舞台を得意とするタイプで馬場コンディションもベストではなかったが、先行集団から早仕掛けでラストまで踏ん張り、勝ち馬とは馬場適正の差、同世代の２着馬とは斤量差とコース取りの差であったと判断できる。春の大舞台へ向けたステップレースとしては高評価できる内容で、次走に繋がる一戦であった。昨年のクラシックＧⅠはともに大敗を喫したが、トライアル勝利後の間隔が短い中での凡走で、ゆったりしたローテーションを組める春のＧⅠでは好勝負に持ち込めるだろう。クラシックで敗れた同世代トップクラスとともに今年のＧⅠの舞台で、世代レベルを引き上げられるか注目したい。