やや低レベルな一戦であったが、他馬を圧倒する走りで人気に応えて未勝利を脱出した。デビュー戦は後の朝日フューチュリティＳ４着馬キョウエイブリッサに敗れたが、人気薄ながら逃げて２着と結果を残していた。今回は中間に去勢処置が取られ半年振りの一戦であったが、３番手追走から持ったままの手応えで抜け出し、ほぼ追われる事なく２着馬に５馬身差を付けての圧勝であった。距離短縮や揉まれないレース運びが功を奏したが、去勢明けで－14キロの馬体でのパフォーマンスは力が違っていた印象である。追い切りの動きも一変しており、去勢効果で持てるポテンシャルを発揮できるようになった点は大きく、クラスが上がっても十分勝ち負けが見込め連勝に期待できる馬である。

ダービー最終切符を懸けた一戦に１勝馬ながら果敢に挑戦し、結果４着に敗れたがポテンシャルの高さを十分に感じさせた。前走は初関東遠征で馬体を10キロ減らし３着に敗れたが、出遅れて道中一気に追い上げるチグハグな内容でもあった。中間は馬体の回復とテンションを上げない調整となったが、当日の馬体は＋16キロと重めが残ってしまっていた。レースでも再び大きく出遅れてしまい、向こう正面で抑えが利かず一気に上昇してしまう。４コーナーは２番手で向かえたもののかなり脚を使ってのもので再度チグハグな内容となった。しかし直線もしっかりした脚取りで上位争いを演じ、ラスト３Ｆが11.3-11.2-11.4秒と内目で脚を溜めてた馬に有利に働いたが、タイム差なしの４着で力差は感じられなかった。出遅れ癖や道中の気性面に課題は残ったが、能力的には重賞でも十分通用する馬として注目したい。

雨中の大激戦であった３歳マイル王決定戦で、まだ完成度では劣っていたが以前とは違う走りで４着に好走した。前走皐月賞は距離が長く大敗を喫したが、やはり直線の長い大箱コースでのマイル戦ならば、高いパフォーマンスを発揮できる馬である。今回はキレを活かせない馬場と、外枠好走の傾向があるレースであるが大外枠と不運が重なった。レース間隔がないなかでの再東上でもあり苦戦が予想されたが、0.4秒差の４着ならば好走したと言える。以前は不器用さが残り後方一気の走りが定番となっていたが、今回は大外枠から中段で運び素晴らしい手応えで直線一旦先頭に立った。ラストは展開利を活かした後方勢の強襲にあったが、大外から早めに動いた分の差で敗れたと言える。レース内容は格段に良化しており、持てるポテンシャルを発揮しつつある。今後の成長次第ではマイル路線で主役を担える馬になりそうだ。世代マイル路線トップクラスの評価をして問題ない馬である。

短距離界に新たなスター候補誕生を思わせる走りでオープン初勝利を飾った。前走初オープン戦となったＧⅢオーシャンＳでも初関東遠征ながら３着に好走していたが、今回は素晴らしいキレで差し切る高パフォーマンスを見せた。芝1200ｍ戦に絞ってからは超高速馬場で展開不向きも重なった新潟戦を除き、上り１・２位を常時マークするキレで３着以内を続けていた。今回もスタート後手で後方からのレースとなったが、手応えが素晴らしく直線は馬群を縫って一気の伸び脚を見せた。京都コースにしては極端な前傾ラップにならないなかで、１頭違う脚で差し切ったレース内容は素晴らしい。強烈な差し脚に磨きがかかっている印象で、馬体も増え成長が著しい。小回りコースや急坂コースでも繰り出せる瞬時のキレ味は魅力で、舞台設定を問わず重賞路線で活躍に期待できる。秋のスプリンターズＳまで視野に入れて注目したい馬である。

格上的存在のカラテに敗れたものの、マッチレースに持ち込み後続を８馬身千切った走りは見所十分であった。昨年はプリンシパルＳを制し、ダービーや菊花賞に出走したが、コントロールの効かない走りで大敗を喫していた。しかし前走の３勝クラスでは直線ソラを使いながら余裕十分に快勝し、気性面での改善が見え能力を発揮できている印象であった。今回は得意とは言えない極悪馬場であったが、果敢に先手を奪い先行勢を潰しカラテとの叩き合いを演じている。斤量は３キロ軽かったものの、上級ＧⅠでも差のないレースを演じていた馬相手に互角に戦えたパフォーマンスは評価できる。まだ気性面に危うさがありスムーズに走れる事が条件とはなるが、中距離重賞で活躍が見込める。まだ成長の余地があり上位人気時の過信は禁物だが、相手なりに走れそうなタイプであり、相手強化時に激走に期待したい馬である。