ハンデには恵まれていたが、重賞初挑戦でも好内容で４着に好走し今後が楽しみな存在となっている。１歳セレクトセールで２億円の高額で取引されたが、脚部不安でデビューから１年４カ月で僅か４戦と苦しんでいた。４戦３勝と能力はオープン級という走りを見せるも、脚元を気にしながらの調整が続き３勝クラスで足踏みが続いたが、前走の３勝クラスを勝ち上がり漸くオープンに昇格。今回は初コースでの初重賞と不安材料もあったが、重賞常連馬相手に高いポテンシャルを発揮している。前半は後方の内々を追走し直線は進路変更を繰り返しながら馬群を捌き、上り２位の脚で２着馬にはタイム差なしまで詰め寄り、ゴール前も狭い馬の間から伸びた脚は目立っていた。ハンデ55キロと軽かったが、漸く脚元がパンとして強い負荷を掛けられるようになった事でいよいよ本領発揮というフォーマンスを見せている。デビュー12戦を消化し掲示板を外したのは１度のみと相手なりに走れる面も持っており、相手強化の一戦でも好勝負を演じて不思議ではない。次走以降で遅咲き素質馬の躍進に期待できそうだ。

快速馬が揃い展開に恵まれはしたが、素晴らしい末脚で勝ち馬に迫る２着に好走した。中山ダート1200ｍ戦は前傾ラップになり後方勢の独壇場となるケースは多く見られるが、今回も前半３Ｆ32.5秒のハイラップで差し馬勢が上位を独占した。この馬も展開に恵まれた印象はあるが、以前のように前半置かれる事がなくなり、楽な手応えで追走して直線脚を伸ばせるようになっている。以前は鋭い脚を発揮しながら３着止まりのケースが多く賞金加算ができずにいたが、地方重賞を含め上り上位の末脚を確実に繰り出して連対圏まで届くレースが増えており、追走力が増している印象である。脚質的に２・３着の多いタイプではあるが、盛岡・大井・京都・中山と1200ｍ戦なら舞台を問わず好走を続けており、舞台やペースを問わず確実な豪脚で上位に食い込む魅力ある馬だ。直線でスムーズにスパートを開始さえできれば重賞初制覇は目前にまで迫っている。明け６歳となるがレース振りは確実に良くなっており、今後も馬券内には必ず加えたい１頭として注目を続けたい。

大混戦となった２歳女王決定戦であったが、好パフォマンスで７番人気の低評価を覆して３着に好走した。過去３戦２勝と1800ｍ戦で結果を残していたが、ともに少頭数でのもので今回のフルゲート２番枠は大きな不安要素となっていた。２勝はともに逃げ切り勝ちで、追い切り診断にも好走には新味が必要と記載したが、控える競馬で好パフォーマンスを見せたのは大きな収穫となっている。前半は内々の５番手を追走し初のマイル戦でも鞍上が抑える程の手応えで上々のスピードを発揮。終始内々で揉まれても脆さを見せずに前進気勢は旺盛であった。４コーナーでの手応えも抜群で、前が空くのを待ち直線は馬群を突いてスパートを開始。スパッと切れる脚は使えず外を伸びた２頭には先着を許したが、熾烈な３着争いは制している。初距離・初多頭数・内枠・ハイペースへの対応と多くの不安要素を吹き飛ばす快走は大きく評価して良いだろう。地力勝負に強そうなタイプで距離延長にも問題がなく、今後もクラシック候補に躍り出た１・２着馬と互角の勝負に期待できそうだ。