16頭立てと頭数の揃った東京2000ｍのメイクデビューで５番人気の評価であったが、勝ち馬を凌ぐパフォーマンスで２着に好走した。大外枠から好スタートを切りマイペースの逃げでラスト11.6-11.2-11.3秒でルメール騎手のアフィリオンが展開有利に逃げ切ったが、スタートからやや行きっぷりが悪く向こう正面でも促されながらの追走でも、直線大外から１頭だけ勝ち馬に迫った脚は素晴らしい。ラスト２Ｆで３馬身程差を詰めており、フォスターボンドは11.2-11.3秒以上の時計で駆け抜けた計算である。キズナ×クロフネ産駒で速い上がりは使えないイメージであるが、上り３Ｆは33.3秒と最速で、ラスト２Ｆは22秒フラットくらいでフィニッシュしている豪脚から高いポテンシャルを感じさせる。514キロと大型ながら馬体が良く素材も確かである。行きっぷりが悪かった点は一度使われた事で改善が見込め、次走は初勝利を飾る可能性が大きい。血統からも開催後半でパフォーマンスをさらに上げる印象があり確勝級の評価で問題ない。

マイルＣＳの前哨戦として好メンバーが揃い時計・内容的にも高レベルでの争いとなった。３番人気に推されての４着ではあったが、展開不利やロスが響いての結果で好内容と言える敗戦であった。イルーシヴパンサーの東京コースでの戦いは後方に構えての直線一気で好走していたが、今回は初騎乗で勝利を飾った岩田望騎手の継続騎乗で、京都金杯時と同様に先行策を取る。スタートから促し気味に位置を取りに行くが、京都金杯時のように前に壁が作れずやや折り合いを欠く追走となっていた。逃げたダノンタッチダウンが３Ｆ34.0秒のハイラップを刻み、東京マイル戦にしては珍しく前傾ラップでの勝負となってしまう。直線半ばで先行勢は後続に飲み込まれ、結果的に差し馬が３着までを独占したが、折り合いを欠き気味に４番手追走から唯一上位に踏み留まった。直線で一旦は後方に敗れそうな雰囲気があったが、残り200ｍから差し返した点も評価できる。今回は展開と折り合いを欠きながら大外を回す不利が大きく４着までであったが、レース内容は良く力は示したと言え、次走のマイルＣＳでは本来の脚を溜める競馬で上位争いに期待したい。

６番人気の評価であったが３着に好走し、レース内容も見所十分で次回に期待が持てる走りであった。勝ち星は２つであるが２着５回、３着９回で掲示板を外したのは小倉コースの３回のみと超堅実派の馬である。今回も10回目の３着と３着が指定席になりつつあるブロンズコレクターであるが、中団前めの追走から直線に向き外に切り替えるロスがあり、一旦は内から２着馬に鋭く差し込まれたが、ゴール前は差し返しアタマ差の接戦に持ち込んだ。勝ち味に遅いと言えばそれまでだが、過去走では小倉以外の７場で３着内に走っており、舞台を問わずタイム差の小さい接戦を繰り返しており力があるのは確かである。何故か小倉コースは鬼門となっているが、他場での走りは騎手に拘らず多彩な戦法で好走を続けており、常時３連系の馬券に組み入れたいタイプである。次走も勝ち切るとは言い難いが、馬券内という意味では大きな期待が持てる馬である。４歳牝馬であるが馬体も増加傾向で充実期に入った印象もあり、今後も注目していきたい１頭だ。

デビュー２戦は素晴らしいパフォーマンスで快勝したが、その後は脚部不安での回避が続き春のクラシックは満足な状態で挑めず結果を残せなかった。今回は夏場の休養から叩き２戦目で状態は上昇している雰囲気にあり、一発の魅力もあったが７着までとなった。スタートから馬群の後方で脚をじっくり溜め、直線勝負に徹した印象であったが、３コーナー過ぎから直線に向くまで手応えは良かったものの、馬群に包まれる形でスパートのタイミングがなかったのが痛かった。直線は馬場の悪い最内から差を詰め、ゴール前の脚は目立っていたが、上位争いまでには持ち込めなかった。しかし２着馬とは0.4秒差で、追い出しが遅れながら上り３位タイと上位勢と大きな差は感じない。どうしても瞬時の反応が鈍く、豪脚を発揮するまでに時間のかかるタイプであるが、スパートのタイミングさえ確保できれば世代上位の能力を見せれるだろう。直線の長いコースがベストであるが、各馬の仕掛けが早くなる小回りでも戦え、今後も爆発力に期待し狙い続けてみたい馬である。