１番人気に応える圧勝劇で未勝利を脱出した。デビュー３戦目となる今回は、過去２走と全く異なる競馬で強さを発揮している。東京1800ｍ戦の２戦は後方から速い上がりを使い４・２着となっていたが、今回は思い切った逃げで後続に影を踏ませず、余裕十分に逃げ切り３馬身半差を付けて勝利した。キズナ産駒でパワーを要する中山馬場の適正はあったが、敗れた２戦でも先行有利の流れを後方から差を詰め、ポテンシャルの高さは確かな馬である。今回は距離延長の初コースであったが、全く問題にせず圧勝と力が違った印象である。展開不問で馬場・コースを問わず高パフォーマンスを見せており、クラスが上がっても上位争いする可能性は高い。次走重賞挑戦でも穴馬として狙い目は十分にある。

１勝馬の身ながら初重賞挑戦で３着に好走した。父・ガンランナー×母父・グローバルハンターと超一流の米国血統で、デビュー戦はダートで圧勝し２戦目の距離短縮芝戦は４着に敗退していて、芝重賞挑戦は無謀とも思えたが重たい馬場を味方に高パフォーマンスを見せた。距離延長が良く道中は素晴らしい手応えで先団を追走し、直線は最内から脚を伸ばしている。後方から外を伸びた１・２着馬に対して馬場の悪い内を突いての0.3秒差は高評価できる。血統的にはダート向きは間違いなく、重馬場適正での好走とも取れるが、小柄な牝馬で軽い馬場でもと思わせるタイプでもある。ガンランナー産駒は日本の芝での活躍馬は存在せず、高速馬場への適正に課題を残すが、この馬自身はまだ芝の良馬場で出走経験がなく、軽い芝適正の部分を含めてこの馬の今後の走りには大いに注目したい。

舞台設定や初遠征と課題が多く14番人気の低評価であったが３着に好走した。デビュー戦はダート1800ｍで大敗し、前走は一気の距離短縮戦で変わり身を見せ、２戦目で未勝利を脱出した。今回は初芝挑戦での重賞に加え、初遠征競馬と不安を抱えていたが、陣営は前走スタート後の芝部分での走りが良かったと判断し、芝へのチャレンジとなったようだ。大きな馬体でパワーがあり、重たい馬場が向いた可能性もあるが、直線ではラップが上がった所で馬群の後ろに入ってしまい、一旦は置かれていたが残り200ｍで外に出し前が空くと一気に伸びて、熾烈な３着争いを制した。課題を多く抱えた状況で不利がありながら高パフォーマンスを見せ、今後の走りに期待を抱かせた。距離はマイルまでの印象があるが、先行・差し自在の脚質は魅力で馬場を問わず狙ってみたい。

未勝利・１勝クラスを連勝後、中１週で挑む厳しい臨戦過程であったが、好内容の３着で皐月賞出走権を奪取した。相手強化の一戦でスタートで後手を踏み、本来の先行策を取れずに中団待機を余儀なくされたが、直線はラストまでしぶとく脚を伸ばし２着馬に詰め寄った。外を回った勝ち馬には及ばないが、ゴール前の脚は見所十分で評価できる。４走前から装着したブリンカーでこの馬の勝負根性を引き出した効果が大きく、これで未勝利戦から５走続けて馬券内を確保し、相手なりに走れる事を証明した。皐月賞での好走は厳しい印象だが、中１週の追い切りでも素晴らしい動きを見せ、成長も感じさせる。ラストまで諦めずしぶとく繰り出す末脚は、穴馬としての魅力が十分で次走以降も常に馬券に入れておいて損はないだろう。

３歳時にユニコーンＳ３着の実績馬が、距離短縮戦で一変した走りを披露しオープン入りした。スタートで大きく後手を踏み、芝部分では最後方追走となっていたが、脚元がダートに移ると最内から馬なりで徐々に追い上げを開始した。常時馬群に包まれ通しではあったが、素晴らしい手応えで４コーナーを向かえ、馬群を縫って大外に持ち出すと前を行く各馬を捕え差し切った。先行勢には厳しい展開ではあったが、ラストも12.2-12.4秒と大きく減速していないなかでの差し切りは評価できる。３歳時は1800戦にも対応していたが、血統や道中の走りからも初の1400ｍ戦が好結果の要因とも言える。オープン昇格で相手は強くなるが、適距離戦ならポテンシャルは見劣らず展開さえ有利に働けば通用する可能性は高い。