前走のチューリップ賞は大敗を喫したが、立て直されての自己条件で貴重な２勝目をあげた。テビュー戦の東京マイルコースで素晴らしいパフォーマンスを発揮し、オークスにも出走したライトクオンタムの２着となり、次回狙える馬で取り上げていた馬である。続く未勝利戦を快勝し休み明けで挑んだチューリップ賞は12着に敗れていたが、着差は0.8秒と差のないレースをしていた。今回は自己条件に戻り最適舞台と思える東京コースで、後方から他馬を大きく上回る上り33.2秒の脚で突き抜けた。ラスト11.5-11.1-11.4秒と速いラップを差し切ったもので、ポテンシャルでは重賞レベルと言えるだろう。休養効果でテンション面の改善があり心身の成長が見えており、高いポテンシャルをレースで発揮しつつある。直線の長いコースなら重賞でも上位争いに期待できそうだ。

３番人気での３着と人気通りの結果であったが、２戦続けて重賞で好走しダート中距離戦で安定した戦績を残している。今回先着を許した２頭に及ばなかったが、ともに重賞勝ち実績のある馬で強敵であった。しかし不利な15番枠から大外を追い上げ上り最速をマークしており、展開次第では逆転も可能な走りであった。オープン昇格後はややジリ脚な印象で掲示板までであったが、近３走は全て上り１・２位を記録し速い上がりを繰り出せるようになっている。2100ｍ戦の名古屋ＧＰでもペイシャエスとタイム差なしの２着に好走しており、距離やコースを問わず好内容のレースを続けている。今回はレース間隔がなく使われた３戦目で上積みはなかったが、きっちり３着を確保している点でも評価できる結果である。今後状態面での上積みや展開面での恩恵があれば重賞制覇のチャンスは十分だ。

リバティーアイランドの強さだけが目立ったが、10番人気ながら先行勢で唯一掲示板を確保する４着に大善戦した。デビュー戦快勝後のアルテミスＳでコース取りで恵まれはしたが女王を倒し、注目されたＧⅠ戦は大敗続きに終わったが、持てるポテンシャルは高く評価されていた。折り合い面が課題で大幅な距離延長は不安材料であったが、差し馬台頭となった厳しい流れでもラストまでしっかり走り切り２着馬とは0.1秒差に踏ん張った。姉・ナミュール同様にまだ本格化気配にはないが、成長途上の段階でもこれだけのレースが出来れば世代トップクラスの評価をして良い。母父・ダイワメジャー譲りの気性の強さを持っており、距離延長戦は苦手で中距離戦よりもマイルがベストと言える。次走は距離短縮戦が確実で大きく前進する可能性を秘めている。スムーズな走りさえ出来れば重賞２勝目のチャンスは十分だ。

勢いのある２頭には先着を許したが、舞台設定が好転し６番人気３着と見せ場十分の走りを見せた。３着に敗れたが１・２着馬はダート短距離戦で底を見せていない上り馬で、今後オープンでも活躍に期待できる馬達で相手が悪かった。デビューからダート短距離戦のみ使われ好走と大敗を繰り返しているが、好走条件がはっきりしているタイプで今回は待望の良馬場が好結果に繋がっている。速い脚がなく先手を奪えないケースもあるが、今回のように良馬場で積極的に運べれば人気薄でも上位争いが可能な馬である。また初めて装着したブリンカー効果もあり、早めに勝ち馬に交わされてからも渋とく粘り通したのは評価したい。次回も好走条件が整えば再度馬券内の可能性は十分にある。