ダービートライアルに素質馬が集結していた一戦で、６着に敗れたが善戦し力のあるところを見せた。結果的に勝ち馬と１秒差を付けられはしたが、４コーナー手前から早めのスパートで大外を回り、直線ではキレのある馬に外から被される不利などロスの目立つレースとなってしまった。キズナ産駒で一瞬の脚よりはしぶとく長く脚を使うタイプで、過去走でも速い上がりをマークして勝ち上がってはいるものの、力の要る馬場で底力が活きるタイプである。直線後方に居た馬達が先団を一気に飲み込む競馬で、ラスト11.4-11.7-11.7秒と先行馬は壊滅した展開となった。外から被されるのを嫌ってか、３コーナーから先団に上昇し、４コーナー３番手の外に居た割には大敗せずに踏ん張っていた。開幕２週目の高速馬場でロスある内容では仕方ない結果と言える。開催が進んだ次走で大きく前進する可能性を秘めている。

前走12番人気で２着となり波乱を演出したが、まだフロック視され９番人気の低評価であった。結果は６着に敗れているが、前々走後に去勢した効果が確実に現れてレース内容は格段に良化している。３歳時はマイル重賞で５着の実績があったものの、気性難がネックとなりその後の好走は滞在競馬である札幌戦に限られていた。大敗続きとなり去勢処置が取られ、休み明けでの出走となった前走は先行して好走したが、今回は初の関西圏への遠征が不安材料となっていた。17番枠と枠順に恵まれず先行することは叶わなかったが、ラストまでしっかり脚を伸ばして0.3秒差まで食い下がっている。ゴール前で外から並ばれるともう一足使った印象にも思えた。２戦続けて1200ｍ戦での好走が続き、距離短縮がフラスになったのは間違いないが、初の関西圏でのレースでも気性が安定した走りは去勢効果が大きいと言える。次走も人気薄確実な妙味を含めて狙ってみたい１頭である。

勝ち馬ウヴァロヴァイトの強さが目立ったが、超高速上りを後方から３着まで追い上げたこの馬を取り上げる。後方内々で脚を溜め直線では素晴らしい手応えで進路が空くのを待っていたが、前に壁が出来て追い出しが遅れてしまう。スパートした瞬間にまた前が塞がり、しっかり追えたのはゴール前200ｍを切ってからであった。ラストは馬群を捌き勝ち馬を凌ぐ勢いで猛追したが、２着にはアタマ差及ばなかった。勝ち馬は坂上まで追い出しを我慢し一気に突き抜けたが、スムーズな進路取りに差が出たもので、アグラシアドもスムーズに追えていれば接戦に持ち込めたと推定できる。近２走では上りのかかる馬場で連勝していたが、今回の走りを見ると高速馬場への適正は高そうである。大きな不利がありながら上り最速をマークするポテンシャルは確かで、次走は重賞挑戦になりそうだが上位争いの期待は大きい。

近走大敗続きであったが、舞台設定替わりで大きく前進する走りを見せ４着に善戦した。戦績が示す通り短距離の差し馬で、展開待ちのイメージもあったが、先行馬が上位を独占した流れでも後方から素晴らしい脚で猛追した。元々平坦コースや高速馬場が得意で、条件が噛み合えば好走していたが、近走は不良馬場や力の要る阪神コースに苦しんでいた印象であった。今回は久しぶりに軽い馬場での直線平坦コースで変わり身を見せたと言える。1200ｍが一番の適正舞台であるが、1400ｍ戦でも鋭い脚を使えた事は大きく、舞台設定が整えばこのくらい走れて不思議ではない馬と再認識させられた。展開が向かなくても上位争いに持ち込め、次走も軽い馬場であれば好走は必至である。

以前から関西圏でのレースでは崩れず、前走の大阪杯でも差のない４着と善戦していた。今回は初となる長距離戦は大きな不安で、適正面で劣っていたのは間違いないが大善戦の５着は立派であった。終始落ち着いた走りで馬群に入り、徐々に進出を開始し、４コーナーでの手応えが素晴らしく、突き抜けそうな勢いがあったが、ラストは甘くなってしまった。前半からピッチが上がり、長距離適正を問われる一戦となったが、見せ場十分の走りで能力の高さを感じさせる。これで関西圏では３-２-０-２の戦績で着外２回は大阪杯４着と、今回の５着である。関東圏での好走は中山金杯の５着のみで、関西圏限定でＧⅠレベルの馬と言えるだろう。中３週で挑んだ今回も大きく崩れておらず、次走に予定されている宝塚記念では、調整面でも上積みに期待でき、出走してくれば穴馬として大きな魅力を感じる１頭だ。