８番人気での７着と結果は残せなかったが、初の1200ｍ戦ながらも持ち味の豪脚を発揮し十分に力を示している。東京1400ｍの京王杯ＳＣで上り32秒台を繰り出し１・２着とベストな舞台での豪脚が最大の武器で、1600ｍ戦では豪脚が鈍る傾向で好凡走の差が大きいが、能力はＧⅠ級のものを秘めている馬である。昨年は中山記念をステップに春の東京開催に備えたが今年は初の1200ｍ戦に参戦。以前は最後方をポツンと追走し直線で徐々にギアを上げて残り200ｍから一気にスパートするパターンが定番であったが、スタートが改善しておりある程度の位置を取れるようになったことで短距離戦へ挑戦となった。最内枠からのスタートでさすがに位置は取れず、最後方でしっぐりと構え３コーナーから促されていたが、直線に向いて大外に出されて追い出されると大きく開いた先団との差を詰め、残り100ｍからの脚は素晴らしいものであった。開幕週の馬場で前が止まらず上位は先行勢が独占したが、上り最速の32.3秒で最後方から追い上げている。初の1200ｍ戦＋最内枠で展開に恩恵が全くないなかでも３着馬とは0.5秒差まで詰めており、馬場や展開が多少向いていれば上位争いができたと感じさせた。次走は昨年と同じレース間隔で挑む５月の京王杯ＳＣが大目標となるが、＋16キロの馬体から上積みが十分ありそうで、今年も得意の舞台で直線一気の豪脚に期待でき頭勝負で狙ってみたい。

14番人気の低評価ながら４着に好走し、７歳になったシーズンも健在ぶりを見せている。３歳春は京成杯とニュージーランドＴで２着、秋の富士Ｓではソングラインと接戦の３着と世代上位の力を示していた。４歳時にはダービー卿ＣＴを制したものの、その後は長く低迷が続き昨秋の京王杯ＡＨで２着になるまで15戦馬券外の凡走が続いていた。桜花賞馬の母・キストゥヘヴン同様に早熟ムードで終わった感があった中で、14番人気２着の激走で波乱を演出。今回も14番人気と９戦連続の２桁人気であるが、前走のマイルＣＳ0.6秒差7着など着順は悪くても差のないレースは出来ており復調している雰囲気は残していた。近走は出遅れが目立ち後方からの競馬を強いられるが、今回もスタートで大きく後れ後方２番手の追走となってしまう。内・前有利の馬場で上位３頭はロスのない競馬で４着以下を離したが、タイムトゥヘヴンは３コーナー過ぎから大外を進出し、４コーナーで大きく外に振られてしまうが、上位３頭と互角の上り34.0秒で４着まで追い上げた。ゴール前の脚は目立っておりもう少しロスが小さければ上位３頭と好勝負に持ち込めたと感じさせた。1800ｍ戦は５戦して３着以内はないが、昨年の中山記念でも0.8秒差の６着まで追い上げており、得意の中山コースならまだ重賞で十分通用する印象である。まだ２勝馬で３年近く勝利から遠ざかっており、好走しても人気にならない妙味十分のタイプで、相手弱化のＧⅢ戦なら再度の激走で波乱を演出するシーンは十分にありそうだ。

５番人気での６着と結果を残せず桜花賞の優先出走権を逃したが、直線での不利が大きく勿体ない一戦となってしまった。京都マイルのデビュー戦で３番手追走から上がり最速をマークする完勝で、ペースは緩かったがラスト12.4-12.0-11.3秒の加速力は好パフォーマンスと評価していた。今回はキャリア１戦の中３週で迎えた一気の相手強化となる桜花賞トライアルで、開幕週での外枠と厳しい立ち位置となったが５番人気に推されていた。スタートでやや立ち遅れて促されると馬が行く気になり折り合いを欠き、鞍上は抑えて内に入れようとしていたが、結局中団の外を追走する形となってしまう。漸く馬群の中で落ち着き手応え良く直線を向かえたものの、前に壁ができており内に進路を替えながらスパートを開始したが、馬群を割ろうとした残り200ｍで進路がなくなりブレーキをかけてしまう。残り100ｍから再加速するも進路が十分になく、鞍上が追えない形でゴールとなった。それでも勝ち馬とは0.3秒差で上り３Ｆも２位と重賞級の脚力を十分に印象付けている。桜花賞候補という程のメンバー構成ではなかったが、僅か１戦のキャリアでデビュー戦とは異なる厳しい道中や、直線での大きな不利を考慮すると今後の期待値はメンバー随一と感じさせた。桜花賞出走は厳しくなったが、今後世代トップクラスまで上がれる馬として注目していきたい。