★カワキタアジン
8月20日・新潟10レース 上総ステークス 3歳以上3勝クラス ダート1200m
芝レースのみで3勝クラスまで上がっていたが、やや頭打ちの印象があった。しかし、前走からダートに矛先を移し素晴らしい脚で勝ち上がった。初ダートとなった前走で展開利がない中、砂を被りながら後方から34秒台の脚を繰り出し4着まで追い上げ、2戦目となった今回も他馬とは1秒速い末脚を発揮しての圧勝であった。2戦共に長い直線を活かして豪脚を発揮したが、ヘニューヒューズ産駒の大型馬らしく短距離のダート替わりで大変身を遂げたと言って良い。元々芝でも高いパフォーマンスを見せていて、追い切りでも軽く好時計をマークできるポテンシャルの持ち主である。出遅れ癖はあるが、脚を溜める競馬で豪脚を発揮するタイプで、多少でも展開の助けがあれば、オープンクラスでも上位争いが可能だ。
★コルカノン
8月20日・小倉3レース 3歳未勝利 芝1200m
生き残りをかけた未勝利戦に18頭が揃い、大混戦の様相であったが、素晴らしいレースぶりでゴール前突き抜けた。姉に重賞勝ち馬を2頭持ち、期待されていた馬だが過去4戦は見所なく終わっていた。しかし2カ月の休み明けとなった今回は、1週前追い切りで素晴らしい動きを見せ素質開花を匂わせていた。初の1200m戦で大きく出遅れ致命的と思われたが、内から追い上げ折り合いを欠き頭を上げるシーンはあったが、素晴らしい手応えで直線に向かうと、狭い馬群を縫って勝利を飾った。未勝利戦としては速いラップを刻んでいたが、抑えきれない程の行きっぷりで追走し、ラスト3F11秒台中盤が続き前残りであったが、加速ラップ突き抜けていると推測できる。晩成傾向であった姉達は中距離で実績を残しており、成長に期待できるこの馬の今後に注目していきたい。
★キタサンエルピス
8月20日・小倉5レース 2歳新馬 芝1200m
14番人気と低評価であったが2着に好走し、大波乱のメイクデヒューを演出した。中間の追い切りで水準以上の時計をマークしていたが、血統的には地味で芝短距離戦となると確かに評価はし辛い面はあったが、レース内容は見所十分と言える。スタートは普通に出たが速いラップで追走に苦労し、徐々に後退し後方に置かれてしまう。しかし3コーナー過ぎから手応えが良くなり馬にスイッチが入った。4コーナーでは外から被されそうになり窮屈な場面はあったが、直線では矢のような伸びで1頭だけ勝ち馬に迫った。ラスト11.5-11.7-11.7秒で先行抜け出しの勝ち馬に向いた展開であったが、この馬はラスト2Fで加速ラップをマークして猛追している。低評価を覆すパフォーマンスを見せたレースぶりは、次走に期待を持たせる馬として注目したい。
★ヤマニンウルス
8月20日・小倉6レース 2歳新馬 ダート1700m
メイクデビュー戦で衝撃的な圧勝劇を見せた。ダート中距離戦とメンバーレベルは低いと言えるが、2着馬に4秒3差を付けて2歳レコードをマークしている。返し馬で放馬したり、ゲートでも落ち着かずヤンチャな面は残っているが、レース内容も素晴らしいものであった。ダート1700m戦であるが、後半5Fを60.3秒と短距離戦のような時計で走り、ラストは抑えたため12.3秒要したが、後半4Fを全て加速ラップで走り上りは脅威の35.8秒で、同日に行われた古馬1勝クラスを1秒以上も上回る1分44秒3で駆け抜けている。手応えからまだまだ時計の短縮は可能で、新スター誕生を思わせるインパクトを残した。父ジャスタウェイで芝でも楽しめそうな逸材であり、今後に大きな期待を抱かせる。
★フレッチア
8月21日・小倉11レース 北九州記念(GⅢ) 3歳以上オープン 芝1200m
14番人気の低評価ながら、差のない6着に好走した。ブランド力のある生産牧場や厩舎から期待されていた馬であるが、7歳になった今でも満足な結果は得られていない。順調に使えない面はあるが、長期休養からの復帰3戦目となった重賞で、存在感を示すレースぶりは見所十分であった。前走でダートを使い大敗を喫しているが、走りに改善が見られたように感じる。時計が速く上位は全て内を回った馬で占めたが、この馬は外々を回り勝ち馬まで2馬身差のレースをしている。結果だけ見ると中団から少し差を詰めただけと思われがちだが、速いラップを折り合いを欠き気味に追走し、ラストまでしっかりと脚を使った。外から並ばれてからもうひと伸びしたように、まだ余力さえ感じさせるゴール前に映った。今後も低評価の人気となるだろうが、重賞で大波乱を演出する激走があっても不思議ではない。
★アラタ
8月21日・札幌11レース 札幌記念(GⅡ) 3歳以上オープン 芝2000m
強敵相手で12番人気の低評価ながら、内容ある4着とこの馬のポテンシャルの高さを改めて感じる走りであった。昨年4連勝を飾り、続く重賞でも3着に好走し今後に期待を寄せていたが、精彩を欠く結果が続いていた。今回はGⅠ級の馬が多数出走し厳しい戦いが予想されていたが、超持続力戦となったハイレベルな戦いで勝ちに行くレースをして上位に食い込んだ内容はこの馬の底力を印象付けた。踏ん張る先行馬に対し外々を回りながらジリジリではあるが差を詰め、唯一ラストまでしっかりと脚を使っていたと感じる。強敵と同斤で接戦できた結果には高評価を与えたい。中距離戦ではコース・馬場・展開を問わず勝利を重ねていて、最高のパフォーマンスを発揮する舞台の特定が難しく、上位人気での信頼性は高くないが、総合力を問われる強敵相手戦で激走する下地を備えており、人気薄で狙ってみたいタイプである。