マイル戦のメイクデビューに16頭が揃い、エピファネイアの妹テンペストが断然人気に推されながら２着に敗れたレースである。後方から鋭い脚を使ってテンペストは確かに高いポテンシャルを見せたが、４着のこの馬も互角の勝負していた。道中は外々の追走で４コーナー手前からスパートを開始し、直線では内から迫ったテンペストと併走で競り負けた格好だか、外々を回っていた分の差であったと言える。上り２位の33.4秒をマークし、テンペスト以外には大きく差を付けたラスト３Ｆの切れ味であった。レースラップラスト３Ｆが11.7-11.2-11.3秒を後方から追い上げた内容は見所十分であった。次走も断然人気に推されるのが確実なテンペストは確勝級の評価だが、人気的な妙味も含めてキタノブライドの次走に注目したい。

サラキヤやサリオスの妹でデビューから注目を集めていた素質馬が強さを発揮しリステッド競争を勝利した。デビュー戦から素晴らしいキレを武器に連勝し、３歳秋のローズＳではアートハウスに迫る末脚で２着となっていた。体質の弱さから間隔を空けて使われている点はネックであるが、４戦連続で上り最速をマークする豪脚は素晴らしいものがある。今回も道中は馬群で折り合い、直線は狭い所に入って反応は良くなかったが、前が空くと一気の伸びで前団を捕え突き抜けた。牡馬混合戦であっても馬群で怯まずコースロスなく運べ、ラストキレを活かすレース振りは相手が強くなっても武器となるだろう。体質改善が待たれ今後のローテーションは未定だが、重賞路線でも十分好勝負が可能で、秋にはＧⅠでも通用しそうな逸材として注目したい。

デビュー戦から確実な末脚で好成績を残していたが、近走はやや精彩を欠く結果が続いていた。３勝クラスでは足りない印象もあったが、今回は後方から素晴らしい末脚で３着に好走している。勝ったサンライズホークは中団からの圧勝劇で４連勝となったが、次位争いは熾烈な差し合戦となった。最後方追走から直線で大外に出し、上り35.8秒の末脚で２着争いまで持ち込み、この馬らしい豪脚を発揮していた。戦績を見ると良馬場では５着が１回あるが、これはリメイクなどが出走していた３歳オープン競争でのもので、このレース以外は全て３着以内の好走を続けている。シニスターミニスター産駒らしい重厚なダート馬で、パサパサの馬場で能力を発揮するタイプだろう。良馬場であれば崩れる事はなく、今後も適正馬場であれば好走は必至である。

ダート転向後は素晴らしいパフォーマンスを続けているが、今回のレースでも好内容を見せ２着となった。芝重賞でも好走歴がありダート転向後も軽めの馬場で好走を続けている重厚なダート馬ではなく、今回はパサパサのダートが大きな課題となっていた。しかし全く問題なく上り最速をマークし後方から脚を伸ばしている。レースラップラスト11.9-11.6-12.4秒と決して差し有利な流れではなかったが、早め先頭のレモンポップを強襲したゴール前であった。次走はフェプラリーＳが濃厚であり、１Ｆの距離延長と叩き２戦目の上積みが見込め、少しでも軽いダートになれば更にキレを増すだろう。ＪＲＡのＧⅠ未勝利である三浦皇成騎手に初タイトルをもたらすチャンスは十分にある。

上位３頭には離されたが、強敵相手に好内容の５着に好走した。古馬になってからの勝利は新潟1000ｍ戦のみであるが、1200ｍ戦の重賞やリステッド競争でも上位争いをする能力を持っている。追い込み一辺倒のタイプで展開や馬場に左右される面は大きいが、近３走は全て２桁人気でも差のないレースを続けている。昨秋はスプリンターズＳでも0.5秒差のレースをしており、明けて７歳牝馬ながら今回も能力の衰えを全く感じさせない走りを見せた。直線進路を探しながらも速い上がりを使い、ゴール前は４着トウシンマカオに迫っていた。年齢的に繁殖入りの可能性もあるが、現役続行となれば人気薄でも狙って損はない馬である。馬場や展開に多少でも恵まれれば馬券内の期待は十分だ。